認知症と白内障手術

認知症と白内障手術

母は91歳になります。

手先が器用だったので、少し前までは和紙人形を作ったり、手芸をしたりしていましたが、できあがりが雑になってきて、段々物忘れが起こって、認知症と診断されました。

そして今は老人ホームに入っています。

老人ホームのスタッフの方から、母が目が見えにくそうにしているので、診察を受けてはどうでしょうと連絡がありました。私は以前から母が白内障であることを知っていましたが、もう高齢だから手術に耐えられるのか不安なこともあり、危険を冒してまで手術は不要と決めていました。母も以前から体にメスが入ることを大変いやがっていたこともあります。

診察を受けると、医師から母の白内障の程度は大変悪く、生活がかなり不便だと思われることと、手術は危険なものではなく、また年齢によるデメリットはそれほどないと説明していただき、やっぱりちゃんと見えた方がいいんじゃないかと考えを変え、手術を受けてもらうことにしました。

手術の日、母は白内障の手術を受けることを理解していたようですが、いざ手術となるとかなり動揺したので、少し鎮静をしてもらったようです。手術は日帰りで無事に終わり、その後の様子を見ると、よく見えることがとってもうれしそうです。

白内障は病気ではなく、老化からくるものなので、誰のもとにも遅かれ早かれやってくるという医師のお話でした。また、手術の後に更に視力が落ちていくということはないので、白内障の兆候があれば早めに手術をした方がいいということでした。

私は、母が認知症で高齢なので、ぼんやりでも見えていればいいんじゃないかと勝手に考えていましたが、ぼんやりしか見えていないことが生活をつまらなくしていることにまで考えが及びませんでした。手術が終わって、なぜもっと早く白内障の治療を働きかけなかったのかと母には申し訳なく思います。

私に白内障の知識と理解がなかったことへの反省と、高齢でも手術を受けられたという報告をここに書いておこうと思いました。

ちなみに手術は日帰りでしたが、通院は2週間ぐらいの間に何回も通わないといけないので、お勤めしていた時に仕事を休んで連れて行くのは難しかったかもしれないです。でもヘルパーさんにお願いするなど方法がなかった訳ではないなあと思っています。